トイレとオムツと五味ワールド
2週間ほど前からで、成功率8割ってとこかな。だいたいは自分で「オシッコ!」と言いに来て、ちゃんとトイレでできるようになったけれど、何かに夢中になっていたり、機嫌が悪かったり、緊張していたりすると、間に合わないで「あ~…」となる。
もともと夏にやってみようと考えてはいたけれど、よし!と思い切ったきっかけは2つ。
1つは、オムツの胴回りにあせもがひどくなってしまったこと。オムツの蒸れはすごい。
2つめは、最近オムツ替えが一大事になっていたこと。
というのは、「パンパ(オムツのこと)替えよう」と言うと「いやぃ!」と散々逃げ回ったあげく、ぬいぐるみを全部出してきて、「みんな、パンパよ!」と言う。つまり、みんなにパンパをはかせろ、と。ただはかせるだけじゃない。全員ちゃんと自分がやるのと同じように、おしりを“ふきふき”しなくちゃダメなんです。まずは、ミッフィーちゃん、くまちゃん、スヌーピー、ミッキー、ワンワン、カエルさん……と総勢10名。全員済んだところで「タラコ、じゅーんばん」と自分で言って、ようやく観念してくれる。一日に何度も11人の子のオムツ替えですよ……3ヶ月ほど頑張ったけれどホトホト疲れ果て、オムツ卒業を決意したのです。
でも、おかげで1冊の本を思い出すことができました。ある日、10人の子のオムツを替えながら、「ねぇ、タラちゃん。ワンワンもカエルさんも、生きているものはみんなウンチをするんだね」と何気なく言ったところで、あれ?どこかで聞いたフレーズ???あーそうだ!!!五味太郎さんの『みんなうんち』という本にまさしく同じ下りがあったのです。五味さんの感性に思いがけず生で触れた気がしてブルッとしました。
この本はたしか、ウサギのころころウンチやゾウのどっかりウンチや人間の子どもなどがウンチをしている絵が続き、最後にこの下りがあったはず。昔、大好きだった1冊。
以前、雑誌のインタビューで五味さんは「子どもの目線を意識しているわけじゃなく、自分が面白いと思うことがたまたま子どもに面白いと思われているだけ」という趣旨のことをおっしゃっていました。
しかし、「動物や人間がウンチをする」だけの大人にとっては「あたり前中のあたり前、常識中の常識」のことを「面白い営み」と見逃さない感性ってすごいな~と改めて感心したのです。絵本の題材とはすぐそばに転がっているけど、それを澄んだ目で感じ取れるかなんだろうなぁ……そんな思考が、オムツを替えながら頭をめぐったワケでした。
実家の物置であの本を探してみようっと。きっとタラコも面白がってくれるだろう。そしてトイレに行くのがもっと楽しくなるかもしれないな。
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