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2007年2 月19日 (月)

ためになった!救命訓練

今日、私の町の町会で開催した「救命救護訓練」に参加した。消防署員が来て、実技指導もしてくれた。

最近、事故や自然災害が多いし、大地震が来たらどうするんだろう・・・と、日ごろから不安に思っていた。
自分だけなら何とかなるさ、と前は思っていたけど、子どもができて急に防災意識が強まった。
いざ被災したとき、自分がこの子の命を守ってやらなきゃと思うと、緊張感がまるで違う。よって、防災リュックはしっかり用意してある。
でも、実際の救護となると、まるで自信がない。訓練を受けておけば、大災害のとき家族のためだけじゃなく、人の役に立てるのではないか、と思った。

すごくすごく勉強になった!!
また、こういう講習は、より多くの人が受けなくてはならないと、痛感した。

一部ではあるけど、ぜひ大切なことをお伝えします。
救急車が来るまで、平均6~7分だそうだ。早いように思うが、心臓が停止してから3分で死亡率50%、6~7分ではほぼ100%になってしまう、というデーターがあるのだ。つまり救急車がくるまで何もしないと助からない、ということ。だから、すばやく救急車をよんだら、その間、心肺蘇生を頑張らなくてはならない。

簡単に書くと・・・・呼びかけて反応がなく、息が感じられなければ、→病人のあごを上げて気道を確保し→人工呼吸2回→胸骨を30回圧迫して心臓を動かす・・・人工呼吸&胸骨圧迫のサイクルを、蘇生するか救急隊が来るまでやり続けるのだ。

しかし、この押すのがかなりの力がいる。両手を重ね、手のひらの付け根で4~5センチ沈むぐらい押すというのだ。女性の力ではかなりキツイ。しかも、1分間に100回のペースぐらいのリズムが大切なのだという。こうした、一つ一つのポイントや力加減は、実際に講習で実技をしてみないとわからない。

そして、AEDという心臓に電気ショックを与える機械の使い方も教わった。公共施設や一部地下鉄などに設置されているのだと。
AEDは3年ほど前から、医療従事者じゃない一般人も使えるようになった。報道で、使い方は簡単だとも聞いていたが、じゃあいきなり使ってみろと言われて、使う度胸はなかった。

しかし、実際使ってみると、本当に簡単だった。講師は「A,E,Dは、安全で、いいかげんでも、誰でも使えるの頭文字のAEDと覚えてください」というほど、電源さえ入れれば、後は音声でやり方を次々案内してくれる。しかも、ショックが不要な場合は、電気を流さないと機械が判断してくれる安全設計なのだという。スグレものだ。
とはいえ、簡単さを実感できたのも講習を受けたからで、何も知らない局面で「電気ショック」をやれるとは思えない。だからとても貴重な体験となった。
今日も、東京マラソンで突然心停止で倒れたランナーを別のランナーがAEDを使って助けた・・・と報道されていて、何だかうれしくなった。

講習は各消防署で随時開催しているようです。
ぜひ、みなさん、参加してみてください!大切な家族、仲間をいざというとき守るためにも。ちなみに受講すると「救命技能初級」に認定されます。
各企業でも積極的にこういう講習会を開いて社員に参加させると、いざというとき、貴重な人材を失わないですむから、大切なリスクヘッジの一つではないかと思うのだけど。
東京の板橋区の中学では全校で講習をしていると言っていた。大切な活動だ。

今日の実技を生かす局面が来ないのが一番なのだけど、万が一のとき、勇気を持てる自分になったかな、と思う。

2007年2 月17日 (土)

「機械」じゃない

絶対に使ってはならない言葉がある。そう、つくづく思った。
「産む機械」発言のこと。連日メディアからこの言葉が流れてくるたびに、何重にも傷つけられるようで、耐え難かった。収束に向かってホッとしている。
しかし、騒ぎは鎮まっても、胸の中にどうにもおさまらないものがある。だから書くことで何とかならないか、と思った。

言うまでもない。出産は、本当に命を賭けた行為だ。
陣痛がきて、産もうとするまでは、もう人間じゃない。動物だ。一種、狂気だ。
私は難産だった。一生懸命いきんでも、なかなかタラコが出てきてくれなかった。
途中、タラコの心音が下がり始めた。あれほど頑張れと檄を飛ばしていた助産婦さんは、とたん「先生がくるまで、いきまなくていい」と言った。
そのときの恐怖は忘れられない。真っ暗な大海の中に急にポンと一人置き去りにされたようで。何もしないって?どうしたらいいの?赤ちゃん死んじゃうの?それまで何も考えずにただただ突き進んでいた頭に急に冷静さが戻ってきてしまって、何もしないことがこの上なく怖かった。
医師が来て、「帝王切開ができる状況でもないから、大丈夫、頑張りましょう」と言われたあとは、もう何がなんだかよく覚えていない。
タラコは器具で引っ張り出されることになった。
医師二人がかりだった。一人が、突然私のお腹のうえに襲いかかってきて(ように思えた)、ものすごい力で押した。と同時に、もう一人が器具でタラコを引っ張り出した。
その瞬間、自分に何が起こったのかよく分からなかった。
助産婦さんが取り上げたのを見て、「生まれたんですか?」と間抜けな質問をしたほどだ。
産んだあと、私は傷がひどく、まともに歩けなかった。寝返りしても、額に汗がにじむようだった。排泄は引き裂かれるような激痛を伴い、一回に30分かかった。痛みに耐えるのがやっとで、新生児室に赤ちゃんを見に行く気にもなれなかった。2日たつと授乳に行かなくてはならないのだが、授乳室まで歩くのも、3キロの赤ん坊を抱っこするのも、座るのも苦痛以外の何ものでもなかった。病室にもどると泣いてばかりいた。耐え難い痛みと消えない恐怖。
まともに歩けるようになったのは、3ヶ月のちだった。

友人は、出産について「そこに人格はないよね・・・」といった。本当にそのとおりだと思う。そのとき、自分はとにかくいきんで頑張り、あとは医師や助産婦さんにされるがまま、動物だ。
私はそれでも無事生むことができた。

ある人は、妊娠中に、子宮の異常がわかった。
医師に「あなたの命をとるか、赤ちゃんの命をとるか」と言われた。
彼女は、赤ちゃんの命を選択した。
彼女は、赤ちゃんを産むと、ほどなく召された。

女性アナウンサーが、出産後の体調不良が原因で自殺か、・・という報道も、「機械」発言と時期が重なっていて、悲しかった。
テレビで、あるコメンテーターが「体調が悪いといっても、かわいい赤ちゃんがいるのに・・・」といかにも悲痛な表情で言っていた。何を言っているんだ!母子ともに元気で生まれたって、産後の子育ては肉体的にも精神的にも辛い。それを自分の体調がままならなければ、どんなに苦しいことか。しかも彼女は、難病だったという報道である。赤ちゃんがかわいければ何でも乗り越えられるなんて、現実はそんな甘いもんじゃない。もっともらしそうに見えて、なんと思いやりと想像力に乏しい軽々しい発言かと、嫌気がさした。

間違っても、機械じゃない。
自分が持っている以上の、どこからくるのか分からない力を振り絞りきって、全身全霊で命を賭けるんだ。生死をかけるんだ。

「銀河鉄道999」で、主人公の星野鉄郎は永遠の命、機械の体を求めて、999に乗って旅に出る。
でも、彼は、機械の体を手にしたものたちとの出会いや戦いのなかで、人間の生身の血の温かさや、限りある命こそが尊いのだと気がつく。

子どもを産むことは、汗も涙も血も流す。そして、湯気がたつ小さな肉体を絞り出す。あのときの温度感は、まさに「生身の血の温かさ」だと思う。
あの温度を少しでも想像したら、決して、機械ではないと思えるはずだ。人間ならば。

2007年2 月16日 (金)

 零細ブログの生きる道

  この [教育タイムズ]を始めてまだ1年に満たないが、アクセス数がなかなか伸びないのが悩みだ。それでも時に「爆発的」にヒットすることがある。

 1回目の爆発はインタビューコーナーで起きた。「近藤信司・文部科学審議官」のインタビュー記事へのアクセスがある時点から急増し出したのだ。このブログシステムにはアクセス解析の機能がついていて、そのアクセスが何を手がかりにしたのかがある程度分かる。調べると、グーグルやヤフーで「近藤信司」を検索した結果「教育タイムズ」の掲載記事を見に来ていたのだ。グーグルは2月13日現在でも当サイトは「近藤信司」の第2位に掲載されている。

 「何でだろうな」と不思議に思っていたが、後で近藤さんが文化庁長官に就任したことが分かった。自分が新聞の記事を読み落としていたのだ。ニュースを知った人が「近藤Who?」でネット検索をしていたわけ。ただ、アクセス急増は人事が新聞に掲載される前から始まっている。このナゾは解けないが、情報を聞いた内部の文科省や文化庁の人たちだが見に来たと思えばつじつまが合う。

 2回目の爆発は2月11日午後9時過ぎから評論・ルポコーナーで起きた。「シリーズ・書写を考える」のプロローグ「中国に書写を問う~安徽省師弟旅」にアクセスが、零細ブログの運営者の感覚では、まさに殺到し出したのだ。3時間ほどの間は1分間に何件ものペースだった。

 このときは理由は分かっていた。中国の安徽省にロケをした「日本と中国の書道対決」番組が日本テレビで日曜のゴールデンタイムに放映されたからだ。「シリーズ・書写を考える」は日本の高校生チャンピオンとして中国に行った高校3年生、藤本梨絵さんに同行した師匠の渡邉啓子・日本書写能力検定委員会師範にスポットを当て、中国からのネットライブ連載の形で計5回、掲載していた。ルートをたどると「藤本梨絵」で検索して見に来ている人が6割、後は「書道」「日中対決」などである。

 「爆発」の余波はその後2日ほど続いた。テレビの威力を痛感する一方、ネット社会の凄さを垣間見た気持ちだ。当ブログは時節柄、教育改革をテーマにしたものが多いが、継続的に一定数のアクセスが確保されているコンテンツもある。「安倍教育改革の真の狙いは?」「足立区の学力テスト問題」などが代表例だ。
  「検索読者に支えらて社会に流布」することも零細ブログが生きる道ではないか、と改めて痛感した大爆発だった。
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2007年2 月13日 (火)

「いじめある」4割――衝撃の調査結果に全校が立ち上がる;酒田市立平田中

~学校新聞「平中タイムス」がキャンペーン~
 「あなたの周りで『いじめ』と思われることはありませんか?」。秋田県酒田市立平田中学校の学校新聞「平中タイムス」が校内でこんなアンケートをしたところ、なんと4割もの生徒が「ある」と答えた。ショッキングな結果に同校では全校でいじめについて考える時間が持たれ、平中タイムスは続刊で「緊急特集・いじめ撲滅」を組んだ。

 同紙が「いじめ」調査を行ったのは昨年秋、全国でいじめ自殺が大きな社会問題となったころだった。「あなたの周りで『いじめ』と思われることはありませんか」との質問に1年生は37%、2年生40%、3年生36%が「ある」と答えた。「わからない」という答えも1年生32%、2年生44%、3年生29%に上った。「ある」と答えた75人に「それはどんないじめですか」と質問したところ51人が「陰口・悪口・からかいなど言葉の暴力」、18人が「無視や仲間はずれ」を挙げた。6人は「その他」に分類された。

 「平中タイムス」は昨年11月27日号でこの結果を伝え、アンケートを通じて集まった生徒たちの熱い思いを<自分がいる 友達がいる そして 生きている>の見出しで特集した。自由記述も紹介され「最低なことだ。でも反発できない。反発すると、もっとひどいことになることを知っているから」(2年生)など生徒の本音が並んだ。
この記事をきっかけに全校で「いじめを考える」時間が設けられ、どのクラスも改めて同紙を読み、考え、もう一度意見をみんなが書いたという。同紙は次号の同12月14日号で再び見開きの「緊急特集・いじめ撲滅」を展開した。

 特集には「情けない」と怒りの声が満ちあふれ「自分はこうしたよ」という体験談も掲載された。「これだけ思いやりのある学校なので、解決できない問題はない」(3年、石黒亘君)など多くの生徒が強い決意を表明している。

「こんなときあなたならどうする?実際に身のまわりで起こりそうな三つの問題について考えてもらいました」というコーナーでは①いつも人の悪口を言ってしまうA君へのアドバイス②友人から「あいつむかつくよな」と同意を求められたときの対応③からかわれ,いやなことをされて落ち込んでいる友人へのアドバイス、について生徒たちの考えを載せている。「良いところを見ようよ」「自分の心を汚してしまう」「私がいるよ そう言いたい」「いじめリーダーつくらないない」「勇気を出そう それが友達」などの見出しから、生徒たちの精一杯の思いが伝わってくる。
新聞部のインタビューを受けた校長先生は「驚きました。でも正直に答えてくれて良かったです」と率直に回答。「まず誰かに話してほしい」と訴えた。
×       ×
<谷口のコメント>
◎志の高さが生んだ秀逸キャンペーン◎
  平中タイムス(月刊)は全国の中学校の学校新聞で最高峰にある新聞だ。全国小・中学校PTA新聞コンクール」(毎日新聞社、全国新聞教育研究協議会共催)で昨年、一昨年の2年連続、内閣総理大臣賞を受賞している。顧問の出嶋睦子先生からこのほど届いた夏以降の新聞を読み進めるうちこのキャンペーンを知って瞠目、発刊からやや時間は経っているが取り上げた。調査総数や実施月日に触れていないなど課題はあるが、質問もフォロー紙面もよくできている。何よりも読んでいて気持ちがいいのは新聞を作る心の熱さが紙面から伝わってくることだ。また、生徒の実名がふんだんに登場することも信頼感を高めている。
 平中タイムスを読んでいていつも思うのは、その志しの高さだ。本来、14歳前後の中学生たちは夢と理想と正義感にあふれる世代のはず。その彼らが新聞と言う媒体を使って「学校直し」に乗り出すとき、仲間たちの信頼を集めないはずがない。それが驚愕の調査結果と秀逸のキャンペーンに結びついたのではなかろうか。

2007年2 月11日 (日)

 母が息子の実名公表;福岡いじめ自殺

 昨年10月、福岡県筑前町で起きた中学2年男子生徒のいじめによる自殺事件で10日、男子生徒の母親が息子は築前町立三輪中2年、森啓祐(けいすけ)君(当時13歳)であることを明らかにした(各紙11日朝刊)。いじめを苦に自殺した我が子を持つ親らが集まって東京で開かれたシンポジュウムで、母親の森美加さん(36)が話した。森さんは「当初、息子の名前を明らかにすることにためらいがあった」とした上で、中学進学を控えた二男が「兄ちゃんは悪いことはしていない。だから僕は胸を張って中学校に行くよ」と訴えるのを聞いて夫と相談して公表を決めたという。参加者からは「学校は(事件の真相を)隠ぺいしがち」「真実を知ることがいじめ防止につながる」などの意見が相次いだ。

 <谷口のコメント>
 ◎新聞は学校事件の実名報道に躊躇するな◎
 学校で事件が起きたとき、新聞はひどいときには学校名さえ報道しないことがある。この筑前町立三輪中のいじめ自殺事件でも発生時点では朝日は町立中学校との表現をした。自殺したのが森君であることはどの新聞も書かなかった。
三輪中は穏やかな田園風景の中に建っている。2カ月ほど後に電話でアトランダムに地元の人たちと話してみると、ほとんどの人は痛ましい事件の犠牲者が森君であることを知っており、さらには加害者とうわさされる生徒の氏名までも口にした人も少なくなかった。しかし、それらは公然の秘密として扱われ、事件は地元でまともに人の口の端に上ることはない様子だった。
新聞が匿名報道に走る理由として①死者の人権への配慮②遺族感情の尊重③少年事件に発展した際、校名が容疑者生徒の身元を特定することにつながることを避ける、などがある。しかし、そうした点を十分に考えるとしても、ぎりぎりの実名報道が追求されるべきで、少なくとも校名は明かされるべきではないか。そうでないと事件の真相は水面下に潜ってしまい、地域社会が再発防止の手がかりを得られない。学校、教育委員会も事件の概要が「公然の秘密」であることに甘えて、真相究明の手を抜きがちになる。
学校や警察が実名を明かさなくても、新聞は取材を尽くし、また遺族とよく話し合って可能な限りの実名報道に努めて欲しい。その上で匿名報道を貫くのであれば、たとえ母親が明らかにしても実名報道に切り換えることはないだろう。今回の記事から新聞側のそうした緊張感が伝わってこないと言えば酷過ぎるだろうか。

書写シリーズ番外:放映に大反響

 日本テレビが11日夜のゴールデンタイム番組「世界の果てまでイッテQ」の中で中国ロケを放映した直後からこのブログにアクセスが殺到した。番組内容に興味を持った視聴者が「藤本梨絵」「日中」「書道」「対決」などのキーワードで検索した結果、このページにたどり着いたことがアクセス解析から明らかで、番組の関心の高さを示した。
 このブログでは他の項目でも書写書道を取り上げた記事があり、その一つ「提案:書く教育を強化しよう」に下記のようなコメントも匿名希望氏から同夜よせられた。
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今回の日中対決、大変興味深く拝見致しました。
私も小さい頃から書道を習ってきたので、藤本さんの字の素晴らしさも、中国のチャンさんの字の素晴らしさも、良く分かりましたが、藤本さんの字は彼女の人柄の様にとても素直でとても上手で、感動しました。
中国で投票することに意味があったのかもしれませんが、日本で投票していたら結果も違っていたのではないかと思います。