会った人なら分かると思うけれど、タラコはあまりおとなしくない。
今は卒業したけれど、おっぱいの飲み方がスゴかった…。寝返りが打てるようになった生後4ヶ月ごろから、乳首をくわえたままグリグリ動く。飲みながら寝返りを打つ。動きが成長するにつれ、それはそれはスゴくなり、飲みながらローリングするわ、立ち上がるわ、最後のほうには私を押し倒して飲んでいた。わたしのおっぱいちゃんはかわいそうなほど伸びきって、さすがに耐え切れず、1歳8ヶ月で卒乳させた。
そんなもんだから、私のひざの上に座っておとなしく本を読むなんてことがまるでできなかった。児童館などで、そうして絵本を読んでいる親子を見ると心底うらやましかった。タラコはいつも私と顔をつきあわせて、私のひざを机に本を置いて読む。
が、1冊の本が私の夢をかなえてくれたのだ!!その本は…
『はっしゃしまーす ブッブー!』(ふゆのいちこ作・絵、ポプラ社、2005年9月刊)
18センチ四方の小さな本。“いっしょにうんてんしゅさんごっこ!”と銘打ってある。
かばさんが運転するバスには背高のキリンさん、ぐずるパンダのあかちゃん、おなかの大きな(妊婦の)ウサギさんがお客さん。それぞれ起こる“ちょいハプニング”。かばさんが運転席の素敵なボタンを押して解決してくれる……っていうお話。画面いっぱいに出てくるハンドルの絵で、読み手が運転するかばさんの気分になれる・・・という仕掛けが楽しいの!
この本は、とあるところに「ご自由にお持ちください」的に置いてあったたくさんの本の中から選んで、我が家にやってきた。
この本を最初渡したときも、やっぱり向かい合わせに座って読み始めたのだけど、途中で「ここにお座りして読む?」ってひざをたたいたら、ストン!とお尻を落としてくれたのだ!!
うれしかった~。本当にうれしかった~。汗臭い髪のにおいやら、体の重みやあったかさ。こんなものを感じながら本を読んであげたかったのよ・・・むぎゅーって抱え込むように、ほっぺたすりすりしながら、やたら密着して初の感動を味わいました。タラコは私のそんな感動はよそに本の楽しさに夢中だったようだけど。ようやくそれが2歳の春のことでした。
以来、私はこの本を持ち出しては、密かにタラコにスキンシップを迫っている。
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