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2006年12 月22日 (金)

中学校でも必修逃れ調査;文科省が通知

  文科省は20日、高校で問題となった必修科目の履修逃れが中学校段階ではどの程度起きているかを把握するため、全国の国公私立すべての中学校約1万1千校を対象に実態調査を求める通知を出した(朝日21日朝刊社会面)。通知では①学習指導要領で定める必修教科(国語、数学などの教科と道徳、特別活動)が学年ごとに開設されていない②授業時数が著しく少ない③国語で書写、毛筆を実施していないーの3点のいずれかに該当する学校や生徒数などを来年1月15日までに回答するよう求めている。

 <谷口のコメント>
 ◎書写、毛筆は違反ゾロゾロか?…静かに広がる発覚パニック◎
 予測されていたこととは言え、20日付で発布された文科省通知(通達)のニュースは全国の中学校に衝撃の渦を広げている。特に第3点(書写を実施しているか)はひっかかる学校が多数出るのではないかと予測する向きもある。これまで硯も墨も無縁だった中学校で急に先生が「習字の用意」を指示したという話もすでに書塾で話題になったと22日には聞こえてきた。

日本語軽視の風潮が強まる中で指導者不足も相まって国語科での書写、毛筆の取り組みが不十分なことはいわば周知の事実とも言える。一方で学習指導要領は中学校で教えるべき書写、毛筆の授業時間数(1単位=50分)を1年生は国語授業時数(年間140単位)の2割、2.3年生は同(105単位)の1割と定めている。つまり、1年生なら年間28時間の書写、毛筆の授業がなくてはいけないことになるが、子どもに聞いても「?」という返事が少なくないのが実態ではないか。

中学校は高校と違って単位制ではないので文科省は「標準の授業時数を下回っても、卒業認定に直接影響を及ぼすものではない」としている。ひどい混乱にはなるまいと先を見越しての通知になったようだが、日本語の乱れが教育の乱れを生んでいる側面も強い。本腰を入れて履修逃れ是正に取り組んでもらいたい。

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