15日衆院委で強行採決か;教育基本法改正案
14日朝刊各紙が予想として流した。<与党、強行採決の構え/週内の本会議で>(毎日5面)、<強行採決辞さぬ構え/週内に衆院通過方針>(朝日4面)、<会期内成立微妙に/与党、強行採決方針 空転も>(読売1面)と少しずつニュアンスが異なる。
最も微妙な形勢とする読売は4面で<参院 日程厳しく>と全体状況を説明した。野党は「いじめ自殺」「高校必修逃れ」「タウンミーティングのやらせ質問」の“教育3点セット”を追い風に審議の引き延ばしを図っている。一方、政府与党は年末に向けてスケジュールがきつい。安倍首相は今週末からアジア太平洋経済協力会議(APEC)、12月上旬には東南アジア諸国連合と日中韓(ASEANプラス3)の二つの首脳会議に出席するなど外交日程が詰まっていてこの間は国会に出られない。衆院通過が遅れれば遅れるほど12月15日の会期末までの参院審議の時間がなくなる。あるいは国会が年末までずれ込み紛糾すれば、初の予算編成に専念できない事態も予想される。今週末に控えた沖縄知事選への影響も心配される。こうしたことから与党の中にも強行採決は避けたいとの考えも強まりつつあるという。さらには1週間から10日ほどの会期延長、あるいは継続審議にする案さえ浮上しているという。
<谷口のコメント>
◎いじめ対策にならない改正案は意味がない。仕切りなおしを◎
今や教育改革の最大のテーマは学校に蔓延する「いじめ」退治となった。いじめをどうして無くすか、同時に悲惨な結果を招かないようにするにはどうすればいいか、この課題をいかに解決するかが国民の関心事となっている。その折から、教育の憲法とも言いえる基本法の改正が行われるわけで、その点への対応が十分に改正内容と関連付けて審議されなくてはいけないのは当然だが審議が足りない。「理念法だから具体的なことは後で」というのは逃げ口上であり、詭弁だ。理念法だからこそ教育の危機の打開に向けた光明とならなくてはいけないのではないか。役に立たない理念法なら下手にいじって害になってもいけないから放っておけばいい。それを国民注視の中で、子どもたちも見ている前でみっともない強行採決の混乱振りを披露するのはやめて欲しい。この際、継続審議にしてもう一度練り直しの議論をしよう。
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