「言語力・読書力検定」実施も;活字文化推進機構設立へ
「文字・活字文化振興法」の趣旨を具体化するため、経済界や労働界、新聞・出版界などが協力して来年10月をめどに「文字・活字文化推進機構」の設立を目指している(読売21日朝刊2面)。設立準備会が11月にも発足し、世話人に作家で日本ペンクラブ会長の井上ひさしさんや高木剛・連合会長、活字文化議員連盟会長の中川秀直・自民党幹事長らが理事に就任する予定。推進機構では文字・活字文化の振興を図るシンポジウム開催、地域の読書運動や国際交流の促進などの活動をするほか、読み書きや表現などの能力を測定する「言語力・読書力検定」の実施も検討されている。準備会主催のシンポジウム「言葉の力と日本の未来」が11月25日、東京・内幸町の日本プレスセンターで開かれる。パネリストは北村正任・日本新聞協会会長(毎日新聞社社長)や作家の林真理子さん、村山隆雄・国際子ども図書館長らが予定されている。
<谷口のコメント>
◎どっこい生きてた文字・活字文化振興法◎
10月27日が「文字・活字文化の日」だということを知っている人はどれくらいいるだろうか。文字・活字文化振興法11条は「国民の間に広く文字・活字文化についての関心と理解を深めるようにするため、文字・活字文化の日を設ける」として読書週間初日の10月27日をその日とし「国及び地方公共団体は、文字・活字文化の日には。その趣旨にふさわしい行事が実施されるよう努めるものとする」と定めている。昨年は文化庁などが中心となってシンポジュウムが開かれたようだが、今年はとんとこの法律の消息は知れなかった。同法は超党派の議員立法として05年7月22日に参院本会議で可決成立、同月29日に公布即施行された。人の心に関係することを法律で定めるのはいかがなものか、という異論もあるけれど、日本の言葉の現状がいかに憂慮すべきものかは言うまでもない。本を全く読まない子どもたちは増え続け、日本の文化は根底から崩壊への道を歩もうとしている。この法律がそうした現状に人々の目を向け、解決への動きを興す一助になればと思う。
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