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2006年10 月20日 (金)

教育再生会議が非公開でスタート

 安倍新政権最大の課題、教育改革のエンジン役となる教育再生会議(座長、野依良治・理化学研究所理事長)が18日午前、首相官邸で初会合を開いた(各紙18日夕刊、19日朝刊)。17人の委員と政府側から安倍首相らが出席したが、公開されたのは冒頭の首相と文科相、野依座長のあいさつまで。その後取材陣は締め出された。終了後、山谷えり子首相補佐官は「後で細かい議事録を公開しますのでプロセスは追っていただける」と説明した。会議で首相は教員免許更新制度や学校評価制度の導入など予想された具体的テーマを挙げ、教育再生に向けた決意を強調した。おおむね月に2~3回程度の会議を開き、来年1月に中間報告をまとめる予定という。

◎なぜ「いじめ自殺」論議がない?◎
 会議が非公開なのは意外だ。読売、毎日などが批判的に報道しているが、非公開になることは何日も前から分かっていたのではないか。そのときから騒いでほしかった。それはともかく首相へのぶら下がり取材を2回から1回に減らすなど新政権の秘密主義が気になる。審議会など会議を非公開にする理由として発言者へのプレッシャーが理由にされることが多いが、教育論議でそれを心配するようなら委員には就任しないだろう。議論をまとめていく過程を露出したくないから非公開にしたのが本当ではないか。「はじめから結露ありき、ということか」と食い下がった記者がいるというが、その通りだ。再生会議は安倍構想を追認するだけの下請け機関と見られても仕方がない。日がたってから細かい議事録を公開しても熱心に読む人は少ないのではないか。再生会議の狙いが広く国民的教育論議を起こすことにもあるのなら、熱いうちにマスコミ報道の洗礼を受けるべきだ。

 もう1つ不思議なのは、非公開だからなんとも言えないが、会議で「いじめ自殺」問題への言及があったという記事が1行もないことだ。今一番の国民的関心事は北海道や九州で起きた「いじめ自殺」事件ではないか。ここからどのような教訓を引き出し、対策を立てていくかが導き出せないようでは教育の再生は望めない。制度をいじるだけでは改革につながらないのは歴史が示すところだ。おさまりかえって密室の空論を楽しんでいる場合ではないよ、再生会議諸氏。 

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