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2006年10 月23日 (月)

実態反映しない文科省統計:いじめ・自殺

 いじめが原因の自殺が相次ぐ中で、文科省が毎年発表している子どもの自殺原因や小中高校でのいじめの発生件数が実態を反映していないことを問題視する声が高まっている。文科省統計では99年から05年度の間は、いじめによる児童・生徒の自殺件数はゼロとされているが、実際にはいじめを苦にした自殺が相次いでいた疑いのあることが分かった(読売20日夕刊)。最近明らかになった

北海道滝川市

のケース以外にも、自殺した生徒へのいじめがあったと学校が認めたケースが少なくとも6件あり、うち2件は遺書にいじめを受けたことが記されていた。しかしこれらを含め各教委は「因果関係が認められない」などの理由で報告件数に入れていなかった。毎日23日朝刊によると、文科省調査による全国小中高校、特殊教育学校でのいじめの発生件数はピークの95年度(2万143件)から年々減っていることになっているが、法務省調査では逆に増加傾向にあること、文科省調査では発生件数(児童生徒1000人当たり)で見ると愛知県は福島県の30倍という説明し難い結果になっている。

<谷口のコメント>

◎虚偽統計は不作為の罪につながる◎

 文科省の統計が各地教委の申告で成り立っていることを考えれば、文科省だけを攻めるのは酷といえる。しかし、その欺瞞性の強い数字を文科省自身が受け入れているとなると事は重大だ。「いじめは沈静化している」と文科省がことさらに言った具体的事例は知らないが、「どうもいじめが増えているようだ」との疑念を文科省が示した場面も記憶にない。しかし、いじめの深刻さが統計に表れないのをいいことに何もしなかった不作為の責任は厳しく問われなくてはいけないだろう。虚偽報告をした教委・学校も同罪だ。教育現場の隠蔽体質を変えていくためにも文科省の「虚偽統計」問題を新聞はシビアに追及するべきだ。

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