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2006年8 月 1日 (火)

小2女児吸い込まれ死亡;埼玉・流水プール

  31日午後、埼玉県ふじみ野市の市営プールで母親らと泳ぎに来ていた所沢市立小手指小2年の女児(7)が、プールサイドの排水口から吸い込まれ約6時間後に搬出されたが死亡した(1日各紙朝刊)。流れを作るために水の吸い込み口とはき出し口を作って循環させており、吸い込み口では秒速2.4㍍の速さで水が吸い込まれていく。楕円形の吸い込み口は幅1.2㍍もあり、奥は幅0.3㍍の導管。この吸い込み口は2枚のアルミ製フタで閉じられているが、1枚が外れているのが分かり、監視員がプールサイドに立って注意を呼びかけ、応急修理をする準備をしていた10分間の間に事故が起きた。監視は10人近い人数で行っていたがほとんどはアルバイトの高校生ら。フタがはずれていることがわかっても客を水からあげることもせず、ポンプも止めないまま営業を続けていた。

  同種の事故は何度も起きている。このため厚労省は01年、フタの固定を徹底することなどを求めた通知を出した(朝日社会面)。学校プールについては文科省が毎年夏になると都道府県教委などに対し、フタの固定などを徹底するよう指示を出している(読売社会面)。

  <コメント>◎なぜ二重ブタにしない!◎
  事故発生間もなくから流れ出したテレビの映像を直視できなかった。狭い導管の中に女児がすっぽりと挟みこまれている様子をどうしても想像してしまう。どんなに苦しいことだろうか。これがわが子の身に起きたことなら発狂してしまうのではなかろうか。

何度も繰り返される同じような事故。真っ先に思ったのは、危機管理の想像力を欠いた設計ミスではないかということだった。毎秒10㌧もの水が秒速2.4㍍もの勢いで吸い込まれていく場所では、フタのボルトも振動で緩みがちになることは容易に想像される。そうならば、プール側面の吸い込み口前面のフタだけでなく、すぐ後ろの導管入り口にも鉄格子を少なくとも十字に入れるだけでも吸い込まれを防げるだろう。そうすれば監視員の目前で女児が導管の奥深くに吸い込まれてしまう事態もなかった。

どうして二重にしないのかと思いながら朝刊を読んでいて、こんな記事を目にした。「都市公園のプールの設備基準は国交省が所管する。国交省の外郭団体、日本公園緑地協会は94年度、事故防止に留意する必要があるとして、旧建設省の監修の下に『格子ぶたを二重に設置することや固定方法を工夫するなど安全面で配慮する』との見解を示した」(朝日社会面)。見解を示した、とはどういうことか分からないが、二重ブタはやはり誰でも気付くことのようだ。女児の不条理な死が悔やまれてならない。

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