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2006年6 月23日 (金)

神風は吹かなかった;ブラジル戦

  当たり前のことだが、奇跡が起きるはずがない、ということはブラジル戦の中継を見て痛感した。サッカーは組織(イレブン)対組織の戦いであり、個人技の奇跡が起きにくいスポーツだ。もともと勝ち目がないということは自明のことではなかったか。

  であるにもかかわらず、マスコミの事前の論調は「神州不滅」だった。一般紙を含めてそうだった。多分、スポーツの祭典で冷や水をかけることもあるまい、ぐらいの編集判断だったと思う。ところが、未明のテレビ中継が20%を超えたように、「きっと神風が吹くかもしれない」と思い込む人が多かったのではなかろうか。つまりW杯は社会現象になっていた。であるとすれば、新聞は真実をもっと書かなくてはいけなかった。それが、勝負が終わってから「世界の笑いもの」と書いてもしかたがない。

  日本がW杯で惨敗した23日、沖縄・摩文仁の丘では沖縄戦戦没者の霊を慰める「慰霊の日」行事が小泉首相が出席して行われていた。今から61年前に負けた太平洋戦争で日本では唯一対米地上戦の戦場となったのが沖縄だった。そこまで国民を引っ張っていった張本人は「神州不滅」を喧伝した新聞そのものではなかったか。

  たかがサッカーではあったけれども、そんな思いを抱かせた試合だった。

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