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2006年6 月19日 (月)

闘論;全教員に免許更新制導入の是非

  毎日新聞19日朝刊3面「闘論」は、現職も含めた全ての国公私立教員109万人に対する免許更新制の導入について取り上げた。現行の教員免許は一度取れば生涯有効だが、更新制導入で有効期限は10年簡に限られる。更新には国が指定する大学で30時間の講習を受けなくてはいけない。喜多明人・早大教授は「不適格な教員の排除というマイナス思考の発想。夢や情熱を失い、やる気を失わせることになる」と反対。甲田充彦・都教職員研修センター教授は「刷新(リニューアル)が中心の概念。一部の不心得者のためのバッシングで自信を失っている教員に自信と誇りを取り戻すことにつながる」と賛成する。

 <コメント>たかだか30時間ぐらいの講習でダメ先生が優良先生になるものだろうか? まずは更新制の具体的イメージが描けないが、論議はその点でほとんどかみあっていない。喜多氏は「誰が適否の判断や研修をするのか」と問題点を指摘。甲田氏も「校長らの恣意的な業績評価や意見具申で更新できないことがあったら問題だ」と指摘するが、ではどうするかの議論はない。

おそらく講習は付け足しで、それまでの教育実践のあれこれが評価の対象になるのだろう。そうでないと更新制そのものの意味がなくなるのではないか。とすると評価者である学校管理職を評価する者は誰か、と考えると更新制は教師支配のきれいなピラミッドを構築するための仕掛けであると言えなくもない。

そういう危ない仕組みを作るよりも、ダメ先生をスピーディに合理的に教壇から追い出す方法を考えるべきだ。ワイセツで懲戒処分される先生だけでなく「授業研究もせず。生徒理解も進まない。学習指導要領さえもとん着しない」教員(甲田氏)が増えているのが問題だ。10年に一度の更新、などと悠長なことを言っている場合ではない。

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