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2007年1 月12日 (金)

ゆとり見直し、加害者出席停止盛り込みへ;再生会議報告書

 政府の教育再生会議は11日、都内で運営委員会を開き、1月下旬にまとめる第一次中間報告に①「ゆとり教育の見直し」を明確に打ち出す②いじめの加害者など反社会的行為を繰り返す児童生徒の「出席停止」措置を明記する方針で一致した(読売12日朝刊)。いじめ加害者の出席停止措置明記は毎日も同朝刊で報じ、「急進的改革に慎重な与党に配慮して明記が見送られていたが、政権浮揚のためにも教育改革への取り組みを強調したい安倍晋三首相の意向で復活した」と説明している。「ゆとり」教育見直しについても議論がまとまらず昨年末の素案には入れられなかったが「委員から反発が出て方針を転換した」(読売)という。

<谷口のコメント>
◎相変わらず不透明なプロセス◎
  この日の運営委員会は野依良治座長、池田守男座長代理、山谷えり子首相補佐官、義家弘介担当室長らが出席したというが、相変わらずの密室審議ぶりで議論のプロセスがまるで分からない。

  「いじめ加害者の出席停止」は報告書への盛り込みが報じられた2日後には訂正報道が行われた「前科」がある(11月29日当欄「いじめっ子の出席停止は盛り込まず」参照)。今度は政権浮揚のために盛り込むことになった、というのだからあきれる。昨日の「文科省、いじめ定義を緩和」でも書いたが、学校は十手・捕り縄で動いているのではないから「犯人」の特定は大変に困難な作業だろうし、どの子も平等にはぐくむ教育の本旨にもとる事態も招きかねない。再生会議の報告書に盛り込み、全国の教委が遵守通達を出したところで現場が動けないものは動けないだろう。動けるようにするのはどうするかの知恵を出しあうのが再生会議に求められていることだ。どうも上から押し付けてことを済まそうとする態度が不愉快だ。

  「ゆとり」教育の見直しも同様だ。もっと国民に分かるように説明してほしい。授業時間数を増やすためには夏休みを縮めるぐらい政府の思いのままだ、というようなおごりがないか。土曜日授業の復活などは大いに議論していいと思っているが、議論のプロセスが見えないのでは話にならない。

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