« 位置付け不透明で混乱する教育再生会議;毎日「土曜解説」 | メイン |  聞き置くだけの教育再生会議中間報告;閣議決定はせず »

2007年1 月15日 (月)

 高校生、社会奉仕活動を必修に;再生会議中間報告へ

 政府の再生会議は14日、今月末にとりまとめる第1次中間報告に、高校で社会奉仕活動を必修化するよう明記する方針を固めた(毎日15日朝刊1面)。高校生の社会奉仕必修化は過去にも議論に上っことが何度もあるが、「憲法が禁じる苦役につながる」「受け入れ態勢をどうするか」などが問題とされ見送られてきた。しかし、安倍首相は昨年の総裁選で「公の概念が必要」と大学入学の条件にボランティア体験を義務付ける考えを示、著書「美しい国へ」で「最初は強制でも若者に機会を与えることに意味がある」と主張していた。再生会議でも「奉仕活動の義務化が必要」(池田守男座長代理)などの意見が出て、報告に明記する方向となった。

◎「隠れ蓑」にもならない再生会議◎
 相変わらず再生会議の議論は経過が不明なまま結論だけがぽんと出てくる。決定理由は安倍首相の意向というだけしか分からない。報告に盛る、盛らないがくるくる変わった「いじめっ子の出席停止措置」も、結局首相の意向で盛り込まれると報じられた(1月12日当欄参照)。今回も、首相意向のほかには再生会議の議論としては座長代理が「必要だと言った」という事実しかない。しかし、学校でボランティアを強制するのは精神の自由に反するし、そもそもボランティアは強制されてするものではない、という声は強い。徴兵制への一歩ではないかという警戒論さえあるほどだ。こうした声を踏まえつつ、議論を尽くしていくのが再生会議ではないか。こうした会議や審議会は、政府が民主的措置を装いながら目的を達するためのいわゆる「隠れ蓑」に使われることが多いが、最初から首相意向でことが決まっているのがばればれの再生会議では「隠れ蓑」の役割さえ果たせないのではないか。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
https://www.typepad.com/services/trackback/6a0128759be2a2970c0128759be516970c

Listed below are links to weblogs that reference  高校生、社会奉仕活動を必修に;再生会議中間報告へ:

コメント

この記事へのコメントは終了しました。