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2006年10 月25日 (水)

新任女教師の自殺で遺族が公務災害認定を申請;東京都新宿区

  この春新採用され、東京都新宿区立小学校の2年担任としてスタートを切った女性教諭(当時23歳)が自殺を図り6月1日に自殺した。その後の遺族らの調べでこの教諭は、長時間労働に加え保護者らの苦情にさらされ苦しんでいたのに校長らの支援態勢は不十分だったことが分かったとして両親が24日、地方公務員災害補償基金に公務災害として認めるよう申請した(各紙25日朝刊)。勤めていた学校は各学年1クラスで仲間の支援態勢も薄い上、この春10人の教師のうち5人が移動したばかり。さらに保護者との間でやり取りする連絡帳で学級運営についての苦情を繰り返し書き込まれ、自殺を図る直前には「結婚や子育てをしていないので経験が乏しいのではないか」などと攻撃を受けていた。女教師の遺書には「無責任な私をお許しください。全て私の無能さが原因です。家族のみんな ごめんなさい」と書かれていた。両親は「職を全うしようとしたからこそ倒れたということ証明したい」としている。

<谷口のコメント>
◎先生バッシングでは教育改革はできない◎
教わる側、教える側双方で悲しい死が相次いでいる。教育の現場は厳しくとも希望と夢にあふれたものであるはずだ。それがこの異様な有様は、まるで学校が死屍累々の戦場であるかように思わせる。この原因はどこにあるのか、その追求こそがこれからの教育改革論議の中心でなくてはいけないはずだ。今回の女教師の自殺の主因には代理の弁護士が主張するように保護者とのやりとりによるストレスも大きいことは間違いないだろう。先生をたたけば教育がよくなる、という発想が世間に広がるのは危険だ。右も左も分からない新採にクラス担任をさせることにも驚くが、未婚で子無しには教師の資格がないというプロフェツショナル否定の発言も残念だ。予想される競争重視の教育改革がますますの先生バッシングを生み、教育現場の一層の荒廃を招くことを恐れる。

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