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2006年7 月17日 (月)

背水の学校別成績公表:足立区学力テスト

  東京都実施の学力テスト(03、04年度)成績が小、中学校とも2年連続で23区の最下位だった足立区は危機感を募らせ、04年度から区独自の学力テスト(学習到達度調査)を実施、その学校別成績順位を区のホームページで公表している(毎日17日朝刊教育面)。同区は学力向上対策として①放課後の補習をサポートする大学生ボランティア導入②テスト結果に応じた指導の改善計画の作成、などを行っており「成績の公表は学校の序列化を目指すものではない。最終的に公教育の底上げを図りたい」と説明している。これに対して地元の保護者らの反応は概して冷ややか。「いまさら遅い。大学進学希望者の親は区の公教育に期待せず、自分で区外の良い学校を探して通学させている」「子どもが通う学校は学力テストの順位だけを気にして生徒への個別指導を行っていない」などの声が出ている。(11月4日付に続報「学テ成績で予算配分;足立区教委」)

 <コメント>
 ◎可哀そうだよ、足立の子ら◎
  学力がなぜ23区の最下位なのか、その構造的な原因を探る努力はどこまでされているのだろうか。「先生のやる気が足りない」「親の関心が低すぎる」というので尻をたたくために学校別成績公表に踏み切ったとしたら単純すぎる。あるいは、学力問題とは煎じ詰めれば、ホンネで語ればこういうこと(順位付け)というわけか。それにしてもドンジリの中でさらに順位を付けてどうなるのかと言ったら失礼か?

「赤裸々な成績公表に記者は戸惑いを覚えた。『ここまでする必要があるのだろうか』」と記事は記者の主観を投影させているが、ほっとするくだりだ。正常な受け止め方だと思う。しかし、それ以上に足立区にはのっぴきならない危機感があるのではないか。私立がすぐそばにある東京の公立学校は生き残りの瀬戸際にあるのが現実だ。

記事には書かれていないが、同区は学校選択制度を導入している。成績順が親の学校選びにどう影響しているか、区教委はきちんと調べて評価を下し、正直に公表してほしい。それにしても何だか足立の子どもたちが可哀そうに思える。成績下位の学校に通う子らは本当に母校を愛せるのだろうか。「人間はペーパーテストの成績じゃないよ」と教えているとしても、こうあからさまでは子どもたちも額面通りには受取れまい。

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