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2006年7 月 1日 (土)

男女同室着替えに禁止通達;文科省 

  文部科学省は6月30日、全国の公立幼稚園、小中高校全てを対象に行った調査結果を基に「身体検査や体育の授業時の着替え、修学旅行の宿泊などは男女同室にしないよう」とする通知(通達)を都道府県教委などに出した(各紙1日朝刊)、調査項目は親から苦情が多い7項目。調査結果によると身体検査を同室で行ったのは小学校の16.4%で、5年生以上や中高ではなかった。水着への着替えを男女一緒にさせているのは小1が44.6%と最多、小4でも4%近い学校がやっている。このほか修学旅行などで男女同室で宿泊している小学校は1.55%だった。文科省は「子どもの心身の発達には個人差があり、羞恥心を感じる子もいるはずだ」と指摘、原則として男女別々を呼びかけている。

 <コメント>◎余計なお世話では?◎
  記事を読んで小学校高学年のころ若狭湾で行われた臨海学校を思い出した。旅館1階の各部屋のふすまを全部取っ払ってクラス全員36人が一緒に寝たっけ。もちろん男子と女子はコーナーが分かれ、先生も他学年も交え男女4人ほどが一緒だったように記憶している。なんだか不思議な空間だった。クラスは仲間という気持ちが湧いたものだ。身体検査や体操着はどうしていたか思い出せない。

  それにしても文科省はどこまでおせっかいな役所なのか。そんなことは各学校の判断に任せておけばいいことだろうに。一律、右向け右の通達(通知)を出すのは野暮天だ。地域差、年齢差、意識差があるはずだし、学校の教育目標があるはずだ。

 ところが現場には任せられない、というのがホンネだろう。産経(ウエブ)は今回の措置の背後にジェンダーフリー思想への対抗意識があることを明確に書いている。「男・女らしさを否定するジェンダーフリー教育が批判を集めるなか、男女の性差に対する配慮不足が浮き彫りになった」と評価。「文科省は事態を憂慮。男女同室の宿泊や着替え、男女混合の騎馬戦などについて『児童生徒に羞恥(しゅうち)心や戸惑いを感じさせるおそれも大きい』と指摘して改善を求める通知を同日付で出した」という。騎馬戦も調べたらしい。フォークダンスは調査項目に入っているのだろうか?

  ジェンダーフリーを性差否定の教育思想ととるかどうかは多いに議論のあるところだろうが、野暮な調査の狙いがここにあることをクローズアップしなかった他紙は努力不足だし、「余計なお世話」感が強まりすぎるというものだ。

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