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2006年6 月 3日 (土)

教育効果満点;村上ファンド立件へ

  3日の各紙朝刊は一斉に東京地検特捜部が村上ファンドの村上世彰代表(46)をニッポン放送株をめぐるインサイダー取引容疑で立件する方針を固めた、と報じた。ホリエモン事件の発展形であることが濃厚で、読売は「ライブドア前取締役、宮内亮治被告ら同社幹部の事情聴取から、ホリエモンに対し村上氏がニッポン放送株の買占めを持ち掛けていたという供述を得た」(1面)という。各紙の報道から浮かび上がるのは、単なるインサイダーというよりは、この2人による薄汚い株の売り抜け劇ではないか。ホリエモンの株買占めを事前に知っていた村上氏は、集中的にニッポン放送株を買い集め、ホリエモンが35%の株を取得したと発表して株価が高騰する中で売り抜けて100億円もの巨利を得た・・・という構図だ。毎日2面は<「勝ち組」批判 追い風>と捜査の裏側を分析して見せた。

<コメント>東京の新名所、六本木ヒルズに本拠を構えるこの2人は少し前までは学校でもヒーローだった。マスコミのせいもあって子どもたちは彼らが新時代のヒーローだと信じて「かっこいい」と仰ぎ見ていた。努力のプロセスには関心を払わない「勝ち組」「負け組」二分法の風潮が広がる中で、額に汗するわけでもなさそうな2人がもてはやされ、しかもどこかダークヒーローの影があることに先生方はますます子どもへの悪影響を心配していた。今回、ホリエモンに続いて村上氏も立件対象となることは教育的効果という点でもまことに喜ばしいことだ。一連の捜査について最強捜査機関の東京地検特捜部は「違法事案がそこにあるから」とタテマエの言い方しかしていないが、世直しの国策捜査の側面があることは否定し切れないのではないか。その意味でも捜査の徹底を期待したい。

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