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2006年5 月29日 (月)

「ダ・ヴィンチ・コード」の言いたいこと

下町の映画館で「ダ・ヴィンチ・コード」を観たが、正直言って半分ぐらいしか分からなかった。なんだか持って回った展開でスジが追いにくい上に、背景の宗教世界にこちらはまるで素養がないのだから分からないはずだ。

 スジのポイントはーー。イエス・キリストは実は妻帯者で子どもまでいた。その事実を隠すためカトリック教会は長く陰謀をめぐらせて来たが、パリのルーブル美術館で起きた1件の殺人事件を追ううちにその秘められたナゾが明るみに出始める。ナゾを解く鍵はレオナルド・ダ・ビンチの「最後の晩餐」「モナ・リザ」の中に隠されていた・・・。

 だいたい、キリストに子どもがいてどこが悪いの?と思う辺りがこの映画が分からない原因のようだ。キリストが人間であった時期を否定することがなぜキリスト教を冒涜することになるのか理解が行き届かない。しかし、新聞報道によるとマニラ市当局がこの映画の上映を禁じたり、米国のカトリック系団体が関連会社が映画を配給しているソニーの全製品の不買運動を始めるなど世界中ですごい反発が起きているという。

 20日毎日夕刊は「キリストが妻帯し、子どもまでいたという筋書きが聖書の教えに反するとしてキリスト教信者の間に反発が広がっている米映画」と紹介している。しかし、実際には史実かどうかというよりは「聖書の教えに反する」ところに問題の重点があるのだろう。教会という権威が長年にわたって民衆に与えてきた教育の深い影響を思わざるを得ない。

 日本でも戦前は天皇は神と教え込まれていた。1946年に昭和天皇が行った人間宣言は「天皇ヲ以テ現御神(あきつみかみ)トシ」たことについて「架空ナル観念」と切り捨てたことで歴史に残った。戦前の国家による教育がいかに深く国民の心の奥底まで染み込んだかの証明でもある。

スジはよく分からなかったが「教育は時にして極めて危険な営為である」というメッセージをこの映画「ダ・ヴィンチ・コード」から受取った。見誤りだろうか?

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