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2006年5 月23日 (火)

出席停止厳格に適用

 国立教育政策研究所と文科省は22日、問題行動を起こした小中学生を出席停止とするなど厳格な対応を求める報告書を公表した。高校生に対しては退学や停学などの懲戒処分の実施を求める内容。小学校の出席停止制度は学校教育法の改正(02年1月施行)により出席停止の要件が明確化され適用しやすくなったが、小学校では02年度以降1件もなく、中学校でも02年度37件、03,04年年度ともに25件の適用にとどまっている。報告書は、子どもたちのささいな問題行動に対して教職員があいまいな態度を取ることを戒める必要性を強調している。しかし現場には「信頼関係を崩しかねない」などためらいが見られる(毎日23日朝刊1、3面、対社面)

<コメント>公表した、とあるのに他の主要紙がきちんと報じていないのは公表の事実をつかんでいなかったか、これを重大視しなかったセンスの悪さゆえかのどちらかです。今朝の朝刊は今後の文教行政の方向を示すものとして学校現場に少なからず波紋を呼んでいるでしょう。
 20年以上前に全く同じような記事を書いたことがあります。そのときは文部省(現文科省)が抜かずの宝刀、学校教育法26条(児童の出席停止)の発動を決意した、という内容の記事でした。当時の初中局長のリークにより特ダネとして報じましたが「教育の死につながりかねない」という解説を付した記憶があります。今回も1面を受けて対社面で米国流「ゼロトレランス」(寛容度ゼロ指導)の強まりに対する現場教師のためらいの声をきちんと拾い上げています。一方で「『非行少年を大人が受け止めよ』というのは正論だが簡単ではない」という学者の意見も紹介しているのは、学校崩壊の事態が一層深刻化していることが背景にあるように思います。
 いずれにしろ「子どもの教育を受ける権利」を制限し一方で学校の教育責任放棄にもつながりかねない26条の厳格適用の是非は、これから行われる教育基本法改正審議の中でしっかりと論議されるべきテーマでもあるように思います。

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