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2006年5 月31日 (水)

「教育基本法」先送り

 小泉首相は30日、自民党の細田国会対策委員長、片山参院幹事長と個別に会い、終盤国会の対応を協議した。その席で首相は「国会会期の延長なしでできるだけ法案を成立させるよう、(法案の優先順位を)精査して努力してほしい」と指示した。6月19日に開会切れが迫った今国会の延長はしないとの強い意志を示したもので、これを受けて政府・与党は教育基本法と国民投票法案を継続審議とし、自民党総裁選後の臨時国会で早期成立を目指す方針を固めた。(読売31日朝刊1面)

 <コメント>首相と細田氏らとの会談があったことは各紙伝えているが、読売がもっとも踏み込んだ情勢判断をした。微妙なところで各紙の表現は違っている。小泉首相は会談後に記者団から「会期延長しないことは最終方針か」と問われた。読売によると首相は「そうだ」と述べた、という。しかし、朝日は「そうですねえ」と微妙なニュアンスを伝えている(同朝刊4面)。読売は他の政府与党関係者の裏づけ取材をした上で「教育基本法案先送り」を打ち出したのだろう。

あまり意外性はないが、重要法案の取り扱いが国民の目からみて分かったような分からないような事情で左右されるのは納得できない。各種世論調査では国民の大多数は今国会での教育基本法改正を望んでいないとの結果が出ていたと記憶しているが、もともと法案に熱心でなかった小泉首相がこれに乗った、ということか。こういう情勢記事でいつも思うことだが、ニュース判断の裏側を新聞はもっと公開するべきではないか。

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