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2008年9 月11日 (木)

大阪府知事が投じた学テ成績公開論が波紋

教委をクソ呼ばわり
 大阪府の橋下徹知事が「くそ教育委員会」と品のない言い方で罵倒しながら大阪府内の市町村教委に先の全国学力テストの成績公開を迫ったことが波紋を呼んでいる。11日朝日朝刊が「学力調査公開論が波紋/橋下知事口火切る/現場「序列化招く」/国、自主公表は容認」とこの間の経緯と全国の動きをまとめた<3面>。
 
 8月末に発表された2回目の文科省全国学力テスト結果について、市町村教委にそれぞれの成績を発表させたい橋下知事は府教委に指導を求めたがを府教委は動かず、恫喝ともいえる口調で批判を続けた。「公表しない市町村教委は責任放棄だ。徹底的に批判する」「公表しないなら府教委は解散する」「公表、非公表は(市町村教委に)予算をつける重要な指標」などが知事語録。あげくに7日のラジオ公開生放送で「クソ教育委員会」の」発言まで飛び出した。
 たまりかねた府教委は10日、府内の43市町村教委の教育長らを集め、それぞれの平均正答率を公表するよう要請したが、約1時間半の会議では教育長らから反発の声が相次いだという。一方、全国的には秋田県、鳥取県の知事らが公表に前向きな発言をしているという。これに対し文科省は「都道府県は市町村名を明らかにした結果の公表はしないのが決まり」と、当初のルール変更の意志はないことを表明している。個別の動きで注目されるのは宇都宮市。市内の全小中学校のうち、小規模学校2校を除く全校がれぞれのホームページに成績を」掲載している。

<谷口のコメント>

教育委員会って何だ?
 このニュースには考えるべき2つの要素が含まれている。学テ成績の公表範囲。、もう1つは首長と教委の関係だ。学テの公開問題は別の機会のテーマにするとして、興味を引かれるのは馬鹿丸出しともいえる橋下大阪府知事の発言だ。独立行政委員会としての教育委員会のあり方を無視した発言は、府政のトップに立つ者として極めて不適切な言発と言わなくてはいけない。背景には、教委の独立性が中途半端になっている制度的な問題点もあるだろう。しかし、今回のことで一番気になるのは、府民がどのような反応を示すか、ということだ。多くの府民が「クソ教育委員会」という知事発言に「そうだ」と拍手しているのではないか。タレント知事がそのあたりの市民感情をつかんで演じているのが学テ公開論議ではなかろうか。恫喝に屈することなく、各市町村教育委員長が反対談話を公表するところから騒ぎの第2幕を始めてほしい。独立性を隠れ蓑に何にも責任ある行動をしてこなかった教委に市民はうんざりしているのだから。

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