全国学力テスト結果まとまる
基礎は合格だが活用問題が苦手
文科省が4月、全国の小学6年生、中学3年生全員を対象に46年ぶりに実施した全国学力・学習状況調査(全国学テ)の結果が23日公表された。テストは計約221万人に対し77億円をかけて行われたもので、国語と算数・数学について身に付けておくべき知識(基礎)を問う問題と知識を実生活に役立てる(活用)問題に分けて実施した。結果は基礎的知識の平均正答率は7~8割と高かったが。活用問題の平均正答率は6~7割にとどまった。全体的には次のようなことが分かった。①基礎的な知識に比べて、活用する力が弱い②全体として都道府県別の差は少ないが、沖縄など一部に低いところがある③就学援助を受けている子供の多い学校の成績が低い傾向がある。また同時実施の生活習慣調査では①家で宿題をするほうが点数が高い②朝食を毎日食べ方が点数が高い、なども分かった。文科省は調査結果を学習指導要領改訂の参考にするほか地方教育委員会と学校にそれぞれが関係する詳細なデータを渡し今後の行政に生かしてもらう方針。また都道府県と政令指定都市に検証改善委員会を設置してもらい、学校支援のプランを作成させることにしている。
<谷口のコメント>
◎成績どん尻の沖縄県対策に即時取り組め◎
巨費と半年もの時間をかけた割には当たり前のことしか浮かび上がってこなかった。新聞の論調も「そして文科省は何をするのか」(毎日)「これならもういらない」(朝日)と、概して冷たい。しかし文科省が全部やる悉皆(しっかい)調査にこだわったのは何も学校の序列を付けたいためではなく、調査結果をもとにした行政の公平を期したいからだろう。その意味で言うなら、ダントツの最下位が明らかになった沖縄の子供たちの学力向上に文科省も沖縄県教委とともに真剣に取り組んではどうだろう。これだけはっきりした数字がでれば、先生の増員などで少々傾斜的に税金を沖縄につぎ込んでも国民は納得するのではないか。日米安保体制という国益のために沖縄が払っている代償はまことに大きいものがある。沖縄の“低学力”の背景にもそれはないか、その分析調査も学テで沖縄の実態を満天下にさらしてしまった文科省の責任とは言えまいか。
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