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2006年12 月 8日 (金)

華ある高校生ら;クラーク記念国際高校の舞台公演

 「うーん、これでいいんじゃないかなあ。履修問題などに目くじら立てなくとも。学校は楽しくなくちゃ」。
高校生の手づくりとは思えない感動の舞台を見終わって、唐突ながらそんな思いが湧いてきた。8日午後、東京・北品川の六行会ホールで観たクラーク記念国際高校パフォーマンスコースの生徒らによる公演「大江戸ロケット」。狭い舞台上にあふれるばかりの生徒たちの表情は誰もが歓喜に輝いていたのである。

 芝居そのものはプロ劇団が手がけて話題になったものらしいが、歌あり踊りあり、殺陣ありのミュージカル仕立て大江戸活劇。光りと音響効果も満点で、キャスト表によると約80人の生徒が3時間の公演舞台に登場した。演技もしっかりとしていて保護者らで満員の約250席のホールは丸3時間、舞台に引き込まれたのだった。

 クラーク記念国際高校の名前を知ったのは今年の春。フリーになったのを知った旧知の元小学校長が「自分も講師で教えているけれどユニークな学校だから取材をして見たら。不登校だった子らも沢山いるんだよ」と勧めてくれたのがきっかけだった。誤解を招くといけないので言っておくと、冒頭の「履修問題などに目くじら立てなくとも」というのは一般論で、同校にその問題があるというのではさらさらない。ただ、単位制・通信制を最大限に活用した高校だけあって実にフリーな構成で、学ぶペースも全日制から週1~3日コース、在宅コースまで個人に合わせいろいろだ。全国32都道府県にキャンパスやスクーリング会場があるという。

 面白そうだと取材準備に入ったがいろいろな事情から着手できずに日が延びてしまっていた。忘れかけたころ最初に知り合った東京キャンパスのパフォーマンスコースの先生から公演の案内をいただいたのだった。パフォーマンスコースは同高校の人気コースで「『ダンス、歌、演劇などのパフォーマンス(表現活動)を通して、自分らしさをメッセージしていきたい』。そんな夢を持った人たちが集まっています」(ホームページから)という。プロを目指す子も多いが、その女性教諭が強調したのはむしろ自己表現が苦手な子らがコースでの日々を通じて変容していく醍醐味だった。

 地下のホールから地上へ出る螺旋階段の両側は出演者等が舞台衣装のままずらりとならんでいた。主役級もいればサル、トリ、シカなど森の動物たちもいる。圧倒的に女子が多い。その顔をまじまじと見ていくと、誰もが実に歓喜に輝いたいい顔をしている。7日から10日までのロングランだが実に楽しそうだ。

 「生徒たちの笑顔とは別に抱えた悲しみや悩みも追いながら、高校って何か、立体感のある取材の舞台になるかもな」。最寄り駅に歩きながら考えた。もちろん、履修問題にも徹底的にこだわってこそ意味がある取材になるだろう。ただ、学校はやはり先生や仲間と共に生きていく場であり、楽しくなくては始まらない、という前提は不変に違いない。

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