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2006年11 月18日 (土)

 1日で中高生が3人も自殺

 17日、福岡県で中学生が2人、横浜市で高校生が相次いで自殺した。いずれも動機ははっきりしていないが、いじめを疑わせる状況は今のところ出てきていない(18日読売朝刊社会面ほか)。
 午前9時40分ごろ、福岡県桂川町の公園で中学2年男子生徒が首をつって死んでいるのが見つかった。15日から家を出ており捜索願が出ていた。午後5時ごろ、同県宗像市内の中学2年男子生徒が自宅で首つり自殺しているのが見つかった。いつもどおり午後4時ごろに帰宅したばかりだった。午後8時20分ごろ、横浜市戸塚区のマンション敷地内で同マンション10階に住む私立女子高2年生が血を流して倒れているのが見つかった。女子生徒は搬送先の病院で死亡した。状況から警察は自殺と見て調べている。

<谷口のコメント>
◎自殺した子の学校名を報じよ◎
 これまで子どもの自殺問題を何度か集中的に取材・紙面展開した経験から言って、マスコミ報道によって連鎖が誘発されるのではないか、という疑念を常に抱いてきた。特に、テレビがセンセーショナルな画面を連続して流すような展開の場合、その傾向が顕著になるのは否めない。今回もそうならなければいいが、と心配していた。報道に関係する者として忸怩たるものがあるが、事実は報道しなくてはいけないところがつらい。報道は必要だが紙面扱い、内容の両面でセンセーショナルな過剰報道は避けなくてはいけない。その意味で、この日の各紙朝刊は抑制が効いていると言えるだろう。

 それにしてもこの状態は異常だ。子どもたちの世界がいかに息苦しいものになっているか、暗澹とした気持ちで記事を読んだ。自殺の背景を徹底的に取材、報道するべきだ。警察の徹底した捜査を促がし監視するべきだ。警察も自殺の動機を解明するのは当然の責任であり、教育環境に留意しつつ十分に捜査し、情報を極力マスコミに公開していく姿勢がほしい。
これに関連して、学校名は実名で報道するべきだ。事件によって学校名が実名、匿名ばらばらだが、死者の名誉を尊重し、在校生に過剰な不安を与えないように留意しながら校名を明かして報道することが大事だ。匿名では地域社会の関心を結集して原因を追究していく力が弱くなる。教委や学校は何が生徒を死に追いやったのか、教育者、機関として真剣に調べて欲しい。実名報道はそれを促がすことにもなるだろう。

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