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2006年10 月13日 (金)

安倍教育改革の真の狙いは?

 神田で開かれた「現代マスメディア研究会」に出席した。出身新聞社のOBたちがやっている10数人の勉強会で第2金曜日が月例会。今日は政治部の現役中心メンバーをゲストに招いて動き出した安倍政権の今後を論議した。

 席上、現役が披露したエピソードを2つ。この4月のこと。新聞社の新入社員研修では首相官邸や警視庁の見学がコースになっているが、そのとき応対した当時官房長官の安倍さんはいつになくサービスよく、ひとしきり話した後新人たちに自由質問を促した。「首相になったら何をやりたいですか?」というストレート質問に安倍さんは即座に「教育改革」と答えた。そしてやや間をおいて考えてから「それと憲法改正だな」と語ったという。

ぶっちぎりの優勢で安倍さんの首相就任が確実になる中で脚光を浴びだした「教育改革」。政治部記者たちが「そういえば安倍さんはいつごろから教育と言い始めたかな」と話し合ったら、少なくとも幹事長になるまで安倍さんが教育を正面から語るのを聞いた記憶がある記者はいなかったという。

 このエピソードに符合するように、研究会参加者からは「安倍教育改革の真の狙いが分からない」という声が相次いだ。自分も同感で概略次のような意見を述べた。

 「安倍教育改革のイメージが描けない。バウチャー制度や大学の9月新学期など言い古されたことが具体策に挙げられているが、すでにその2つは自民党内でも実現可能性はないとの認識が広まっている。教員免許制度もすでに文科省が決めたこと。何も目新しいことがないように見える。しかしそれは、まだ改革の本体が浮上していないからではないか。安倍教育改革の本丸は戦後レジーム(制度)を真の保守の観点から見直すことであり、18日からスタートする教育再生会議の当面の議論ではまだ浮上してこないのではないか。安倍改革の本体が浮上したと教育の現場にイデオロギー対立を持ち込んで混乱を引き起こすだけの結果に終わる恐れもある。新聞はこうした展望を含め、安倍教育教育改革の真の狙いを紙面化するべきではないか」。

 おおむね賛同を得たと思う。このウエブサイトでもこの観点から安倍教育改革のウオッチを続けて行きたい。

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