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2006年9 月14日 (木)

小学生の対教師暴力が4割も急増:05年度文科省調査

 14日各紙朝刊が一斉に1面で報じた。同省の調査によると05年度1年間に全国の公立小学校で2018件のの校内暴力事件が発生、そのうち464件が教師に振るわれた暴力だった。対教師暴力は前年度に比べ38%も急増、小学校の校内暴力全体も同6.8%増で初めて2000件を突破した。中学校は2万3115件、高校は5150件と横ばい状態。

 

 各紙は社会面で荒廃する教室の実態を報じた。<おびえる先生 悩む日々><イスけって歯向かう6年女児/5年男児「教育委員会に言うぞ>(読売)、<崩壊連鎖 底なし>

<女性教師に20発けり「くそばばあ」「死ね、死ね>(毎日)など目を疑う見出しが並ぶ。背景について「成果主義でひずみ」(毎日)、「学校生活に余裕足りず」(読売)、「親の影響も一因」(朝日)などの指揮者談話が掲載されている。

 朝日1面によると文科省は「はっきりとした原因は分からないが、けんかの仲裁に入った教師に逆上し、矛先を向けるケースが多いようだ。学級担任制で、担任1人に任せきりになるため、問題が放置されやすい状況がある」と分析している。

<谷口のコメント>

 まことにコメントしにくい問題だ。現代の教育が抱える象徴的な病理現象であり、しかも何十年も言い続けられてきた危機である。何が原因で何が対策なのか自分でも分からない。文科省も学校関係者も正直そんな気持ちだろう。その中で「社会構造のレベルでの問題解決が求められている」というある識者の意見は当面の解決策には全くならないが深く同意できるものがある。そのレベルで言えば、大人が理想主義や正義感を失ってしまったところに根本的な原因があるのではないか。子どもたちに足元を見透かされているから家庭でも学校でも指導がきちんと子どもの心に届かない。つまり、ここでも個々人の集大成である「国家」の品格というものが問われているように思えてならない。

 

 

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