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2006年6 月 6日 (火)

言葉を失った社説;秋田小1殺害事件

 秋田県藤里町の小1男児殺害事件で被害者の2軒隣りに住む主婦、畠山鈴香容疑者が死体遺棄容疑で逮捕されたことを受けて、在京一般紙はこぞって社説に取り上げた。<疲劇の母親がなぜ犯罪に>(朝日)、<総力を挙げて子供を守ろう>(毎日)、<水死女児の母に何があったのか>(読売)、<不可解な点解明に全力を>(産経)、<多くのナゾが解けない>(東京)。各紙とも事件の意外な展開に受けた強い衝撃を正直に吐露する一方で、核心部分である「子供の安全確保をどうするか」については言葉を持たない状態で見るべき内容はどの社にもない。その代わり、一部週刊誌が先行した容疑者報道について現場でのメディアスクラム(集団的加熱取材)の問題を指摘する社も多く、焦点がぼけた感は否めない。
<コメント>
思いもよらない事件の展開に学校現場、地域の受けた衝撃は強いものがあるだろうと思います。通り魔の犯行を想定しての通学路安全対策だから、今回のような事件態様では打つ手なし、の感が強まるのは仕方がないことでしょう。それだけに社説が「一連の幼児殺害事件を通じて明らかになったのは、子供を確実に守るための決め手はないということかもしれない」(毎日)、「今回のように近所の母親が事件にからんでいたとすれば、犯行は防げない。それだけに、この事件の衝撃ははかり知れない」(朝日)と、言わずもがなを書くのはまあ、決め手がない衝撃を再確認する意味合いはあるのかもしれませんね。

事件の真相が分かるには動機の解明を待つしかありませんが、今回の事件は通学路の安全問題とは無関係と言うことをまずしっかり認識する必要があるでしょう。その上で関係機関、地域が通学路安全対策の強化の手を緩めることがないことを期待したいと思います。

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