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2006年7 月22日 (土)

防衛秘密

 日比谷のプレスセンター10階大ホールで開かれた額賀福志郎防衛庁長官の昼食記者会見に出た。最初の30分ほどで昼飯を食べ、その後でゲストが40分ほどしゃべり、後4,50分を質疑応答の時間に当てるのがいつものパターン。額賀氏は昨年末の就任以来、米軍再編、イラク駐留陸自撤収、北朝鮮のミサイル発射への対応など話題に事欠かない人物だけにホールは100人ほどの参加者で満員だった。防衛庁長官が花形になるのはいささか問題だが、まさにそういう時代になりつつあるのだろう。

 額賀氏が産経新聞記者を10年ほどやって政界に転じたのは知らなかった。つい最近、イラクからの陸上自衛隊撤収に際しマスコミに対して報道管制(ブラックアウト)とも言える厳しい取材規制を敷いて物議を醸したのでどのような背景の持ち主かと思ってはいたが、元新聞記者だったとは意外だ。彼は信長の北陸撤収、第二次大戦でのガダルカナル撤収などを例に上げ撤収作戦の危険性を強調した。これは取材規制の記事を読んだときにも思ったのだが、イラクの場合はそれでは話がおかしいのじゃないだろうか。イラク派遣は戦地じゃないということで復興支援部隊が派遣されたのではないか。それを「部隊縮小の情報が漏れると攻撃されるから」と、まるで戦場からの部隊引き上げのような理屈で自衛隊の外地での動きを国民の目からシャットアウトするのはとんでもない話だ。

 むかし会計検査院を担当したときのこと。防衛1課、2課という防衛担当の検査官が秘密の壁に悩んでいたのを思い出す。「弾が今何発あるかなどということは利敵行為になるから言えないと言うんだよ。検査院には何も教えないんだ」とこぼしていた。話は誇張されているのだろうが、防衛秘密を振り回す風潮は出始めている。軍のブラックアウトとは今のうちから真剣に対決していかなくてはいけない。

 真意を問うてみようと思ったが、他の質疑を聞いていると額賀氏は小泉首相張りに質問をはぐらかすことが再々で、ブラックアウトを持ち出してもまともな反応はしそうにないのでやめた。このへんが昼食会というやや中途半端な記者会見に臨むも者の緊張感のなさか。反省材料だ。

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