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2007年2 月11日 (日)

 母が息子の実名公表;福岡いじめ自殺

 昨年10月、福岡県筑前町で起きた中学2年男子生徒のいじめによる自殺事件で10日、男子生徒の母親が息子は築前町立三輪中2年、森啓祐(けいすけ)君(当時13歳)であることを明らかにした(各紙11日朝刊)。いじめを苦に自殺した我が子を持つ親らが集まって東京で開かれたシンポジュウムで、母親の森美加さん(36)が話した。森さんは「当初、息子の名前を明らかにすることにためらいがあった」とした上で、中学進学を控えた二男が「兄ちゃんは悪いことはしていない。だから僕は胸を張って中学校に行くよ」と訴えるのを聞いて夫と相談して公表を決めたという。参加者からは「学校は(事件の真相を)隠ぺいしがち」「真実を知ることがいじめ防止につながる」などの意見が相次いだ。

 <谷口のコメント>
 ◎新聞は学校事件の実名報道に躊躇するな◎
 学校で事件が起きたとき、新聞はひどいときには学校名さえ報道しないことがある。この筑前町立三輪中のいじめ自殺事件でも発生時点では朝日は町立中学校との表現をした。自殺したのが森君であることはどの新聞も書かなかった。
三輪中は穏やかな田園風景の中に建っている。2カ月ほど後に電話でアトランダムに地元の人たちと話してみると、ほとんどの人は痛ましい事件の犠牲者が森君であることを知っており、さらには加害者とうわさされる生徒の氏名までも口にした人も少なくなかった。しかし、それらは公然の秘密として扱われ、事件は地元でまともに人の口の端に上ることはない様子だった。
新聞が匿名報道に走る理由として①死者の人権への配慮②遺族感情の尊重③少年事件に発展した際、校名が容疑者生徒の身元を特定することにつながることを避ける、などがある。しかし、そうした点を十分に考えるとしても、ぎりぎりの実名報道が追求されるべきで、少なくとも校名は明かされるべきではないか。そうでないと事件の真相は水面下に潜ってしまい、地域社会が再発防止の手がかりを得られない。学校、教育委員会も事件の概要が「公然の秘密」であることに甘えて、真相究明の手を抜きがちになる。
学校や警察が実名を明かさなくても、新聞は取材を尽くし、また遺族とよく話し合って可能な限りの実名報道に努めて欲しい。その上で匿名報道を貫くのであれば、たとえ母親が明らかにしても実名報道に切り換えることはないだろう。今回の記事から新聞側のそうした緊張感が伝わってこないと言えば酷過ぎるだろうか。

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コメント

残念ですが、このぐらいの年頃の子供には、
“頑張っている子が、どの程度のストレスをくわえられると 努力をすることをやめるのか(怠るようになるのか、)”、 をしりたくて、衝動にかられるこどもが わり合いいるのです。
 (特に 中途半端なイケメン君であったり, 中途半端にスポーツが得意であったりすると。 ・・そのうえ その子が背が低く、せんの細い子であったらなおさら・・・。)

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