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2009年9 月 7日 (月)

お宝発見!渥美清の語り

私の母は、かなり物持ちのいい人で(「捨てられない人」ともいうが・・・)、どこにしまってあったの???とびっくりするくらい、私が子どもの頃のものを大切にとっておいてくれている。
おもちゃ、おまる、洋服、本・・・。

なかでも、本は本当にありがたい。今やロングセラーの本の初版本だったり、定番絵本『はじめてのおつかい』や『こすずめのぼうけん』などは、当時の月刊配本「こどものとも」のペーパーバック版で存在している。これは貴重ですよ!
子どもの時分は作者の名前など気にしてなかったが、今改めて手に取ると、有名な作家の作品だったりして驚いたりもする。
そして、名作だと思うのに絶版になってしまっている本もあり、それを今タラコに読んであげられるのは本当にありがたい。
本とは、時代を超える絶対的な財産。

そして、びっくりものの隠れ財産を発見した!
『日本と世界の昔ばなし』という、レコードと本がセットになった全24巻。一枚のレコードの裏表で1話ずつ収録されており、全部で48話。東京こども教育センターというところの発行物で、たしか通信販売かなんかで買ったような記憶がある。大好きで大好きで、風邪を引いて寝ているときなどは特にずっとこのレコードを聴いていた。
それが30数年を経た今も、ダンボールの中に綺麗な状態で保存されていて、心から母に感謝の気持ちがあふれてくる。

さっそくレコードプレーヤーを購入した。
プレーヤーの針をレコードの端に落とす瞬間の、ちょっとした緊張と微妙な弾力、そしてプスプスプス・・・という始まりの独特のノイズも懐かしい。

ともかく、タラコに聞かせてやろうと、手にとってよく見て・・・・たまげた!!!!
監修が、ギリシャ神話や北欧神話、ムーミンなどの翻訳で知られる山室静。児童文学者の坪田譲治。そして・・・・・
「渥美清」「米倉斉加年」「北林谷栄」「熊倉一雄」・・・・!?
な、なんと、そうそうたる名優たちが語りをしているのだ。
これはすごい!!子どもの頃はこのすごさを知りもしなかった。

    「へっへっへ」
    つるりとかおをなぜると しげみのなかから でてきたね。
    わざと 何にもしらないかおして でてきたね。

・・・・なーんて、渥美清のあの口調で、うさぎとキツネのだまし合いなど語られてごらんなさい。実にこっけい、こっけい。タラコはケラケラ笑っている。
そして、渥美清の口調を真似てみている。

語りの力はなんて大きいのだろう。間合い、テンポ、声のトーン、お話の内容と俳優の個性などが絶妙にかみ合って、物語の世界をぐっと深めている。引き込まれる。
昔、自分が飽きずに繰り返し聴いていたのは、こういうわけだったのか。

これは、ますます捨てられない。代々受け継ぐ家宝に認定。レコードと本と母の心・・・大切に大切に残していきたい。